恐怖の森

日記のような感じ。たまに自作MADの解説するかも。こわくないよ

ドキプリ小説 感想

ドキプリ小説読了。

面白かった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

Twitterのツリーで感想ずらずらと書いてたら長くなりそうなのでこっちにずらずら書きます。

ネタバレ注意。

 

 

文章の書き方が六花のモノローグなので、彼女の心のつぶやきやツッコミのキレの良さも楽しみながら読めた。全く飽きずにのめり込んで読めました。

 

アニメ最終回のあとだから書ける亜久里とレジーナの関係(や国王の親バカっぷり)、いつもと変わらない六花たちの会話のかわいさ、変わらないとは書いたが一年以上の付き合いだけどお互い知らなかったところが多いリアルさ(これから先も長い付き合いになりそうなのを感じられていいですよねこういうの)、裏設定留まりだった残りのジコチュー幹部やヒロミチの活躍などなど魅力がたくさん。

ヒロミチは出番あっても一人物で終わると思ったらガッツリキーパーソンでしたね。味方だと思ったらまさかのジコチューと手を組んでいて…、と思ったらお父さんと一緒に四葉財閥のために一芝居打っていた。(一芝居どころじゃない)ドキドキハラハラでございました。

 

六花視点で書かれているものの、マナさんはマナさんだし、亜久里とレジーナは彼女たちの関係性のお話に重点おかれているし、ありすはヒロミチ関係で縦軸の中心に近いし、まこぴーは…擬音を声に出すのがマイブームだったり王女様の幻を前に泣いて六花にあきれられてたり初期のツンツンが嘘のように仲間との冗談とかがうまくなってて可愛さ増してましたね。みんなバランスよく活躍場があった。

アイちゃんは出番少な目だったけどしゃーない。

岡田はアニメ本編の感想にも書いたけど今作でも彼の心境が詳しく語られることは少なかった。人間界との交流のために色々と大変そうな上にジコチューに拉致られてボコられてそれでもマナ達を信じるけど、気色悪さは健在なのでレジーナにボコられて苦労人でしたね。岡田はどうすれば報われるの。あとオカダハウス何。

 

ドキプリらしく色んな愛の形を書いていましたね。

亜久里ジーナやありすヒロミチの姉妹兄妹愛、親友同士の愛(亜久里エルちゃんも新登場)、親子愛、視点が全世界にまで広まった博愛。ジコチュー同士の愛もありましたね。

大黒柱のマナがいなくなって弱っていた六花に渇を入れるのがありすなの、昔からの親友なのを感じて良い。

ドキプリらしさといえばトンチキも外せない。運動会や誕生日会などのぶっとんだ話もあって安心。

そういうエピソードやたわいもない会話が縦軸に繋がる構成も見事。

 

プリキュアが政府に使われるのは類を見ない絵面(文字だけど)でそこの奇天烈さも面白かった。

ジコチューに名前つけたり大人の堅苦しい感じとフィクション的存在の組み合わせがウルトラマンとかシン・ゴジラっぽい。ヌエの光線はゴジラ意識してますよね。舞台もちょうどゴジラがいる新宿だし。

水谷さん、だんだん愛着湧いてくる良いバランスのキャラ。プリアラの水嶌さんのイメージで読んでた。

プリキュアが世間にバレることで応援されるようなプラスなことだけでなく、変な人たちに狙われたりするのが人の心のジコチューを書くドキプリならでは。一方、やっぱり応援してくれたり希望として見てくれる人もいて、マナさんが蒔いた愛が開花して助けてくれる展開もドキプリならではのカタルシスがある。

幸せの王子様みたいに朽ちて終わらずに実りを得る結末は感動した。すごい科学力で再現したロイヤルクリスタルで世界中に5千人のプリキュアが誕生するってとんでも展開なんだけどね!小説オリジナルのプリキュア増えすぎだろ。キュアソードの先輩方もいるし。

プリキュアになったのが女の子限定なのは今の時代にそぐわない部分もあるけど、アニメ最終回で岡田が言った「誰かを守りたいと言う想いの力を持つ女の子は誰でもプリキュアになれる!」に沿っていて、プリキュアシリーズではなくドキドキ!プリキュアに忠実と言える。

「想いの力」は随所登場していて、キュアジョーカーのような奇跡を起こすし、戦士への変身に限らず六花を守るために大人の姿になったラケルもそう。書き起こしていて気付いたので、そこに注目してまた読み直したい。

 

国や世界を背負うレベルの存在になってしまっても普通の中学生たちなので、受験もある。でも力を持ってしまったゆえに日常がそれに侵されるというプリキュアエッセンスがより強くなってるのも魅力。プリキュアの好きな部分ってこういうところなんですよ私。

 

アニメではあまりなかったプリキュアたちの自身に秘めたジコチューとの葛藤も面白かったですね。

なんでもありな魔法のアイテムをやたらと使うとジコチューになってしまう。(マジカルラブリーパッド、販促のない小説の方が目立ってませんか?)

友達のプライベートを覗いてしまうという身近な規模や国同士のトラブルにつながる危険性という一少女には重たい規模。どちらも信頼をなくすって部分ではヒロミチが幼少期のマナに伝えた事やテーマである愛につながりますね。

言語化してまとめてみると丁寧さがわかる。

 

丁寧だけど真面目臭いわけでは決してなくて、先ほど言ったトンチキもあるし謎のパロディもある。

「ぶっちゃけありえない」「なんとかなるなる」「堪忍袋の緒が切れる」「凄いことをしてしまった」など他プリキュア作品オマージュがところどころ。マナの日記の「道」を強調してるのや「なんですと」は含んで良いのか微妙なライン。

しょっぱなからジーナにケロケロ言わせたり、「タコ焼きは地球だ」や「筋肉モリモリマッチョマンの変態」とかプリキュア関係ない作品もぶっこんでるの何なんですかね??

高速道路で暴走する敵と戦ったり、歌舞伎町が出てくるのはさすがに某忍者と極道が対立する漫画の逆輸入ではないと思う。偶然というか考えすぎですよね。

 

ドキプリは人の心にあるジコチューが敵ではあるが、アニメではぶっ飛ばす相手は怪物やジコチュー幹部たちだった。

のに対して、今作ではヒロミチ(実は悪いやつじゃなかったけど)や倉田、増してはマナたち自身という生身の人間が明確に敵なのが新鮮だった。

倉田はプリキュアラスボスらしさある悪いやつだけど人間なんだよな… 最後のページになんか書いてあったし460ページ近くやってもなお書きたいことがまだあるんですかねェ?期待しております!!

5千人の少女が手にしている人工コミューンを悪用しようとする人や、ジコチューに使用するプリキュアとか出てきてもおかしくないですし。

今度はどんな愛を書くのでしょうね。

 

イラりつに進展はないけどイーラは六花を気にかけてるし、六花もイーラにちょっぴり特別な想いがあるの良い塩梅ですよね。

七つの大罪モチーフのキャラが出る作品で彼らの元ネタはそれですって言われるの珍しい。どちらかと言うと、ジコチュー幹部が太古から人の心に存在する悪魔として恐れられていて、彼らを元に七つの大罪が生まれたって感じなのかな。

トランプ王国やジコチューの歴史が語られるのも面白かった。

変身ヒロイン物と国際組織系のやつと神話的世界観の要素が入っていててんこ盛りや。好き。

 

着地点が見えないから適当に締めるけど、色んな意味で小説ならではな部分があって面白かった。そのうえドキプリっぽさが満載。

ドキプリアニメ見てない人にはお勧めとは言いにくいけど、アニメ50話近く見るよりはドキプリが伝えようとしている愛を知ることができる一冊なのでぜひ読んでほしいですね。

このブログ読んでる人は読み終わってると思うけど。ネタバレあるし。